関節運動学に基づいたモビライゼーションと筋力強化法【上肢③鎖骨・胸椎・胸郭】


講義の目的:

 

手指末端の関節包内運動に基づいた動かし方やモビライゼーション法を学び、手指末端が肩や頸部に与える影響を学ぶ。

 

○座学

 

A.胸椎

胸椎の機能解剖

脊柱の関節機能障害とは

胸椎の関節運動と運動軸について

上肢挙上時の体幹への負荷と胸椎・胸郭の関係について

 

B.鎖骨(胸鎖関節・肩鎖関節)

上肢挙上時の胸鎖関節・肩鎖関節の動きについて

手指の動き・痛みと胸鎖関節の関係性について

 

C.胸肋関節

上肢挙上時の胸肋関節の動きについて

手指の動き・痛みと胸肋関節の関係性について

 

 

○実技

胸椎の評価とモビライゼーション

肋横関節の評価とモビライゼーション

胸鎖関節の評価とモビライゼーション

肩鎖関節の評価とモビライゼーション

胸肋関節の評価とモビライゼーション

胸鎖・肩鎖関節の関節包内運動を考慮した肩関節の自動介助運動

 

講師の市川から:

 

 肩の可動域制限に対して上腕骨や肩甲骨だけを動かしているセラピストをよく見かけます。これは間違いではないのですが、上肢複合体の構造を考えた時に非常に損をしていると言えます。

 

例えば肩関節の全可動域180度の中で肩甲骨は上方回旋60度の可動性を持ちますが、その可動性の支転となるのが胸鎖関節や肩鎖関節です。支点となる場所に正常な動きが無ければ、いくら肩甲骨を把持して動かしても可動域が向上しないことが予測できるでしょう。

 

また胸椎・胸郭は手関節や手指の動きや痛みに対して大きく影響を及ぼす場所です。胸椎・胸郭はいわば上肢使用時の体幹への負荷を受け止める場所であり、ここにアプローチをすることで上肢の痛みや可動域が変化することも珍しくありません。

 

例.母指のCM関節部や母指球筋に圧痛を生じていた患者に対して胸椎椎間関節の関節機能障害を治療することにより母指の痛みや圧痛が軽減した。

 

その個所への外傷や手術などの明確な原因が無いのに痛みや可動域制限を訴えるケースには、全体的に身体を診る視点が必要です。当日は関節・筋膜・筋の連動の3つの視点からそれをお伝えします。