講義の目的:
手指末端の関節包内運動に基づいた動かし方やモビライゼーション法を学び、手指末端が肩や頸部に与える影響を学ぶ。
○座学
A.関節運動学について
関節包内運動の理解
構成運動と副運動
関節の遊び≒Joint Playの評価
凹凸の法則とその例外
可動性を出した後のいわゆる「緩みすぎ」を防ぐには
関節運動学に基づいた筋力強化法とは
B.手指関節について
①運動連鎖と手指
② 筋膜連鎖と手指
③ 前腕・手指関節の回旋軸と肩関節の内旋・外旋の関係性
④ 手のアーチと手のマルアライメント(不良肢位)のパターン
⑤ 手のマルアライメントが肩関節に与える影響
⑥ 母指の機能不全が肩や頭頚部に与える痛みと影響
⑦ 母指以外の4指それぞれが肩や頭頚部に与える影響
○実技
①手指骨・手根骨の触診
②手のアーチ評価
③DIP関節の可動性評価とモビライゼーション
④PIP関節の可動性評価とモビライゼーション
⑤MP関節の可動性評価とモビライゼーション
⑥母指IP関節の可動性評価 とモビライゼーション
⑦母指CM関節の可動性評価 とモビライゼーション
⑧他4指のCM関節の可動性評価 とモビライゼーション
⑨中手骨間関節の可動性評価 とモビライゼーション
➉豆状三角関節の可動性評価とモビライゼーション
⑪手指末端からの肩、頸部の筋筋膜リリース法
講師の市川から:
肩関節の可動域の改善を図ろうと思ったときに手指(末節骨、中節骨、基節骨、中手骨)の可動性やアライメントを評価していますか?これら末端の骨は手根骨と比較して軽視される傾向がありますが、肩関節の可動域や痛みに関係の深い場所です。
また手指末端は胸椎や頸部にも影響を出しやすい場所です。例えば2-3指の中手骨間の可動性が悪い場合、肩関節は内旋傾向になり、胸椎は屈曲し、頸部も伸展制限を受けます。
病院でのope後などはその箇所に教科書的なリハビリテーションを行うことが基本ですが、それでもよくならない症例や手術をしていないのに痛みや可動域制限を訴えるケースでは、制限を体全体から捉える視点が必要になってきます。
本講座では手から肩の内外旋や屈曲外転、さらに胸椎や頸部の動きまでが変化するという体験をすることができます。また何故そう言った変化が出るのかを関節、筋膜、運動連鎖の3つの視点からお伝えします。